沙汰の天秤

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日々の雑記とゲーム感想など

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DREDGE 感想

雰囲気ホラー風味の釣りゲーDREDGEが面白かったという話。

続きから【エンディングまでのネタバレあり】です。

 

 

 

 

DREDGE(ドレッジ) -Switch

DREDGE(ドレッジ) -Switch

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Switch版のDREDGEをクリアしたので【ネタバレあり】の感想です。

ジャンルは『ダークフィッシングアドベンチャー』です。
釣り人募集のチラシを横に夕暮れの海で船を操る主人公のシーンから始まります。
そこでお約束のちょっとお天気怪しくない…?
おや、黒雲広がり濃霧で前が…?と思ってるうちになんか事故ってとある港町に漂着したよ!
しかも運良く釣り人募集のチラシに書いてあった目的地だったよ、やったね!
目が覚めると町長から、「ガラクタになった船を回収したけど、ありゃあダメだな。替えの船を用意したから魚とって借金返しておくれ」というような事を言われます。
この港町周辺にはいい感じの岩礁があって、灯台があっても霧の濃い夜には事故る船がいるそうです。
事故に対して「入り江のごつい岩には自己紹介を済ませたようだな」と言われます。この皮肉の効いた言い回し、めちゃくちゃ好き。翻訳がいい感じなのでもう神ゲーの予感。

そんなこんなで身体は無事だし、代わりの船も用意してもらったし、元々くる予定だった港町だし、元気に漁師すっか!という感じで始まります。
でも町長は「霧の出てくる日没までに戻るんだぞ」と意味深な事を言ってきます。
文字通りに受け取れば「また岩礁にぶつかられたらたまったもんじゃないから霧が出る前に戻れよ」なんですが、わざわざ色付き強調文字になってます。
…いいぞ、ホラー味が出てきた。
ゲームの目的としては、魚とってお金稼いで、代わりの船の代金(借金)返済して、船の装備を整えて、大物狙いながら住人の依頼もこなそうね、という感じです。
最初はボロ船からスタートするので、スピードは出ないわ、船倉は狭いわ、釣竿はボロいわで貧弱装備です。
シミュレーションゲーム系統が好きな方はこれをアップグレードしていくのが堪んねぇんだわ、という気持ちがわかっていただけると思います。

海に出るとお魚ポイントはなんかブクブクしてるのでちょっと遠目からでも見た目でわかります。
ただし、海域によって「沿岸」「浅瀬」「大洋」などといった属性と、そこでとれる魚の大きさが分かれているので、海域にあった釣具じゃないとそもそも釣りが出来ないし、初期装備では小魚くらいしか釣れません。
もちろん、夜しか釣れない魚もいます。
また釣りは魚種によって多少形が違うものの、動くバーに合わせてタイミングよくボタンを押すのに成功するとリールの巻き取りが早くなります。
リズムゲーム的なノリでやるタイプの釣りですが、苦手な方にはサポートモードがあり、時間がかかるけど必ず釣りが成功するモードにすることもできます。
私はSwitch版ですが、押してるのに遅延で判定がずれる!とか全く合わせられない!などという感じはありませんでした。
ただし、最初期のイカだかなんだかのゲージが2分割されてるやつ。テメーはダメだ。
お魚も種類によって固有のマス目を持っていて、小魚は2マスとかちょっと長い魚(ウナギとか)だと3マス、なんか活きのいいやつは直角3マス、のように分かれています。
これらを限られた船倉(こっちもマス目がある)にいい感じに配置して町に戻って売る必要があります。
配置のちょっとしたパズル要素はバイオ4のアタッシュケースみたいなシステムです。
船倉には釣竿やらエンジンも積んでるので、デカくていい装備を積みすぎると魚を全然持って帰ってこれないし、装備がショボいままだと安い小魚ばかりで大した稼ぎにはならないので、バランスを考えて漁に出る必要があります。

魚は時々やべーやつがとれます。…適切な表現が思いつかない。
奇形種というもので、目玉だらけとかなんかドロドロした何かがついてるとか、ちょっと見た目がグロいやつです。
絵柄がそれほど写実的なものではないので生々しさは感じなかったけど、肉塊的なやつもあるので人によっては苦手な感じかもしれない。
そして奇形種も気前良く買い取ってくれる魚屋さんが一番怖い()
あと夜しか釣れない魚とりに行こうと思っても、ライトが貧弱だと岩礁やらなんやらが全然見えず船がクラッシュしますし、寝ないほどSAN値が削られて、赤黒い謎のモヤとか暗闇に浮かぶ無数の目とかが見えるようになります。
本来無いはずの岩とか、いないはずのデカい魚とぶつかると船にダメージが入ります。
妄想が現実に干渉する表現って怖いですね。
なので、睡眠時間は確保しつつ、夜出る魚を適度に取りに行くという立ち回りも必要です。
夜に漁に出ると本当に「うわ真っ暗」という状態になるのですが、その真っ暗な闇の中でグレートマローの灯台の光が遠くから見えて、「あっちに帰ればいいんだ!」とホッとする体験もできます。
実生活ではあまり海と関わりがなく灯台の実用性もいまいちピンとこなかったのですが、海辺が舞台になるゲームや物語などで、灯台灯台守が重要視されるのはこういうことなのか…!と遅すぎる感銘を受けました。

海では時々難破船の残骸などが見られ、その付近でサルベージ装備を用いると木材や金属などの資材が手に入ります。
船のグレードアップに資材がたくさん必要なので、これも見つけた時にとっておくと便利です。
私は全編通して布足りない!木材くれ!金属ない!!と何かしら足りなくて、海を走り回ることになりました。ご利用は計画的に。

マップは大まかに5つの大きな島があり、主人公が漂着した中央のマロー諸島の他に、火山、マングローブ珊瑚礁、崖というようなエリアにわかれます。
どこから行ってもいいです。
結局どこ行っても最初は小魚と資材確保してお金集めて装備グレードアップをする必要があるので、色んなところ行ってとりあえず依頼受けておく感じでしょうか。
私は最初に右下の崖エリアに出かけていきましたが、「よーし!新しい魚とっちゃうぞ!!」と釣りをしていたら船が爆散して死にました。
急すぎて何も言えなかったよね。
マロー諸島以外には何かしらエリアボス的なノリのヤベー奴がいます。
崖エリアはランダムな位置で突き上げ?噴き上げ?海流が発生し、船にダメージ入りますし、ノコノコと島内側まで入っていくと、デカい魚の巡回ルートに入り込み船ごと喰われます。
釣りすると時間が進むってことは、デカい魚は止まらない…ってコト?!でしたね。
結局魚がこない島の外周で釣りして図鑑埋めましたが、依頼と宝探しで島内側に入ることになるので、うまくやり過ごす必要はあります。
こんな感じで珊瑚礁には超巨大クラーケン?と思われる脚が蠢いており、マングローブでは巨大な蛇のような何かが這い回っていて、火山ではボスを呼び寄せる小魚に付き纏われます。
同じく、どのエリアでも邪魔者が寄ってこない島の外側で魚とって図鑑埋めはできますが、やはり依頼などで彼らをいなしながら島の中心に行く必要があります。
基本的に邪魔者は何かしら対処法があり、依頼を進めると一定時間邪魔者の動きを阻害する音波を出せる施設が開放されたり、海底火口からの熱気で小魚を散らしたりできます。
さらに、なんとマングローブでは生き残りのおじさんの依頼を進めると、邪魔者を完全に排除できます。(おじさんの殺意強すぎてすごい!)


さて、ここまでゲームシステム関係の感想を並べてきましたが、メインストーリーとしては単純で各エリアで遺物をゲットして収集家に届けてあげる、というものです。


遺物を全部届けると、夜まで時間が進み特定のポイントへ行けと言われます。
天に昇る禍々しい赤い光が目印になるので地図自信ない勢にも優しい()
あと「ここから先は戻れないよ!本当にいいの?」と念押ししてくれる。マジで優しい。
ポイントに到達して調べると、おじさんが本の通りにおまじない()を始めます。
私が命懸けでとってきた遺物をボッチャンボッチャン景気良く海に投げ込んでいく…
せっかく…サルベージしたのに…
おまじないが終わると「親方!海の中から女が!!」という感じに怪しい女性が出てくると同時になんか凄い巨大な何かも呼び覚ましてしまったようで、大きなシルエットと空模様が怪しくなったところでEDです。
スタッフロールの裏でグレートマローが炎上しているという、「やっちゃいけないこと、しちまったなぁ…」という闇の儀式EDですね。


別のEDは、いつのタイミングかわかりませんが、旧町長が各地域に一つある野営地のどこかに出現します。
旧町長がいると焚火に火がついていて煙が立ち昇っている様子が少し遠くからでも認識できます。
このgkbrしまくりな旧町長からは「灯台守が全部知ってる」という話を聞けて、これでフラグが立つようです。
今まで意味深なこと言って漁師を翻弄してきた灯台守と話をすると、クエストマークのついた会話選択肢が増えています。
私は全部知ってるんだぞ!!と強い気持ちで話を進めますが、可哀相なものを見る目を向けられ、また意味深なことを言って、さらっと流されてしまいます。
そこで次はブラックストーン島の収集家のところへ行き、本について聞いてみます。
私は最後の遺物を持った状態で行ったのですが、そうすると家を訪ねる前に「遺物を渡す」、「遺物を隠す」という選択肢が挟まり、「隠す」にすると本について聞く方のルートに入ります。
ここでもサラッと流されそうになるので、またまた私は全部知ってるんだぞ!!という強い気持ちで話を進め、本を奪い取ります。
ちなみにここでもう一度邸宅を訪ねると、残りの遺物を渡すEDにもいけます。
えぇ…あんなことしてシレッと遺物渡しに行けるの怖…
強奪した本を灯台守に見せると、覚悟はできたか?と念を押されEDです。
こちらも夜中になるまで時間が進みます。
「光を追え」の通り、灯台がある一点を示しているので、そのポイントに向かうと、「海への回帰」ができます。
えーいとビチビチ嫌がる本を景気良く海に投げ込むと、なんか凄い巨大なものに、船ごと飲み込まれて完。
…え?これで終わり?という感じですが、グレートマロー周辺の霧が晴れ、オーロラが出現し、なんかいい感じになったようです。
あの元凶の本を海に帰したことで、全てが解決したようです。これでいいのか主人公。


町長などとの会話や海に点在するメッセージボトルを集めると、この一連のストーリーと主人公の正体の推測ができ、EDで「ははーん、なるほどね…」と推理の補強がされますが、アレでソレでコレ!という完全な答えは提示されないので、考察も楽しいゲームですね。
最初に言った通り雰囲気ホラーなので、ガチホラー苦手勢でも遊べると思います。
出てくるものやら雰囲気からすると、もしかしてクトゥルフ風味というのか…?
ストーリーだけで行けば10時間くらいでいけるらしいので、お手軽に遊べるよ!やったね!
徐々にグレードアップしたり、図鑑埋め作業が好きな方は楽しく遊べるのではないかと思います。