沙汰の天秤

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日々の雑記とゲーム感想など

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Switch版 天穂のサクナヒメ感想

Switch版「天穂のサクナヒメ」のメインストーリーをクリアした話。

 

 

 

 

 

発売後からTwitterで盛り上がり、果てはワイドショーなどでも取り上げられて話題になった天穂のサクナヒメに今更手を出しました。
当初は「作れるの米だけか〜。牧物ファンの私からしたらそんなん物足りなそうだし、稲作だけで何時間も遊べるんか?」という先入観(偏見)だけで手を出しませんでした。
Twitterでいくら盛り上がろうがなんだろうが、「私はやらんぞ」という謎の頑固さが肥大していたわけです。

そんなこんなでサクナヒメブームに乗らなかったのですが、ある日よく見ているゲーム実況者さんがサクナヒメの実況を始めました。
あれだけの盛り上がりを見せたサクナヒメ、どんなもんか気になった私はまんまとパート1を視聴してしまったのです。
そして愉快な喋りに乗せられて、面白そう!と簡単に掌返した結果、購入に至りました。

ストーリーはうっかり天界に紛れ込んだ人間達に巻き込まれた神・サクナヒメが、島流しにされて冒険したり米作ったりするドタバタハートフルアクションコメディ、のような感じ。
PV等にもありますが、「米作って強くなる」ってどういうことぞ、という設定が「豊穣神の血を引いているからです」という一言に尽きるのですが、背景設定やらなんやらがしっかりしていて、ストンと納得できる内容になっています。
また、最初の偏見(先入観)でもあった、「稲作だけで何時間も遊べるのか」という点についても、結論として遊べてしまいました。
むしろ、米が心配だから探索より稲作やらせてくれ!!状態。立派な農奴ですありがとうございます。

稲作自体は同じことの繰り返しですが、この繰り返しによりサクナヒメが「農技」を自動習得します。
これにより、例えば収穫時に一度に刈り取れる範囲が広がったり、スピードアップしたりと、同じ作業が効率化されていくわけです。
たまに、なぜこんなことに…というようなもん(ex. 円形植え)も習得しますが、まあそれはそれで愉快なものです。
農技習得でどんどん効率化されるので、繰り返しの作業でも「今年は楽に終わった!」という成長感と「次はどう変化するのか」というワクワク感があるわけです。
あと、最初はチマチマ手作業だったのが、徐々に便利な道具を発明していく過程も、農業の進化を垣間見ることができて面白いです。

米作りゲームなので、米作ってるだけでもいいのかというと、そうでもなく。
まず、稲作にばかりかまけていると食べるものが無くなる。
毎日夕ご飯は献立を考えて摂ることができます(おまかせモードもあります)。
この食べるものの組み合わせで、体力を増やしたり、耐毒やら耐火やら探索に便利な効果を付与することができます。(某狩猟ゲームのクエスト前の食事のようなもの)
なお、この世界は頂の世(神の世界のようなもの)なので、食べ物がなくてゲームオーバーになることはありません。(最悪水だけの食事もいけます)
…が、ダンジョンには毒煙が立ち込めていたり、熱々の溶岩が煮え滾っていたりと、隅々まで探索するには食事の付随効果が重要になります。
稲作にかまけて探索を疎かにすると、途中で進みづらくなる(ジワジワHPゲージが削られるタイプなので進めなくなるわけではない)ので、食べ物の確保もそこそこしなければいけません。


また、探索をすることで鉄鉱石など武器作製、麻など防具作製に必要な資源を入手できます。
これらを仲間の「きんた」や「ゆい」に必要数渡すことで、新たな装備を仕立ててもらえます。
ダンジョンの敵が強くなってきて進みづらいなーと思ったら、装備を整えご飯を食べる!それでもダメなら良い米育ててサクナの能力上げる!という流れ。
装備にも地形効果減衰(要は毒煙対策など)やら敵が物資を落とす確率アップなど、様々な効果がありますので、ダンジョンに合わせて装備を変えるのも有効です。(ダンジョンに入ってからでもメニューの装備項目から気軽に変更できる親切仕様。ありがたい)

アクションの方も、敵を巻き込んで一気に吹っ飛ばしたり、なんか凄い雷のようなものを纏って叩きつけたりと、思ったよりも爽快感がすごい。
この無双感が気持ち良くて、ダンジョンもどんどん進めたくなる。
あと羽衣を使って遠くの壁にくっついたり、敵の背後に回ったりできますが、これを使いこなせると、とてもアクションゲームが上手い人になったような感覚に浸れます。
攻撃してすぐ羽衣で後ろに回り込んでもう一発、というなんか凄いコンボもいい感じに決まります、最高。
色々な技もやはり米を作っているうちに覚えます。米のパラメーター上昇によってどんどん覚えていく仕様なので、「僕の考えた最強の米」を作っているとやはりサクナが強くなっていき楽しい。
技は武器依存ではないので、どの武器使っても好きな技が出せますし、「枝魂」という能力(スキル玉のようなもの)を武器や防具に装着することで、体力アップやら攻撃力アップなどの恩恵があります。
プレイスタイルにより最適な組み合わせを考えるのが楽しい。
しかもダンジョン内でHPが尽きた場合、ロールバック処理されて、時間経過や獲得したアイテムは全部無かったことになり、スタート地点からやり直しになります。



ストーリーとしては、米作る理由もあるし、島の探索を進める理由もあって、破綻もしていないと感じました。
どんどん強くなって進める場所が増える!楽しい!
羽衣移動と技のコンボで葛籠(宝箱のようなもの)取れた!嬉しい!
探索目標のエリアボス30秒以内に討伐できた!楽しい!
などなど、個人的には楽しさを積み重ねていくゲームでした。
クリア後も稲作は続けられますし、階層ごとにひたすら敵を倒す腕試しダンジョンのようなものもあるので、最終階層到達までは遊べそうです。

購入前のなんやかやが嘘のようにハマってしまって、「これだから信用ならねぇわ自分」という気持ちでいっぱいですが、やってよかった、の一言に尽きます。
最近の牧物のような、作物に肥料やって時間かけて品質上げて育てるゲームが好みな方で、アクションもそこそこ嗜む人ならいけると思います。



※ストーリーネタバレになるので以下は注意※


 

 

 

 

 

 



唯一のがっかりポイントといえば、ストーリー終盤の火山噴火ですね、米どころか家やら何やら台無しになるやつ。ストーリー的に矛盾はないけども、アレのせいで一旦テンションだだ下がりした。
「お前…!今までどれだけ、苦労して田んぼを育てたと思ってるんだ……」という気持ちに加えて、キャラクター達のあのお先真っ暗感。田右衛門は年長者らしく前向きな提案をしていましたが、サクナと同じく「いやいや、そう簡単にはいかんだろ」という気持ちが強すぎて、ショックがすごい。
その後、ココロワの知識に助けられたり、禍を祓ったりで元通りになっていくとはいえ、やはり手塩にかけた田んぼが台無しになるというのは堪えるところがあります。
現実世界でも、為す術の無い天災によって田畑がダメになった歴史はあるので、ここは非常に現実的でした。

あと、ココロワを唆した黒幕は結局わからずじまいな点。
これはエピローグでもありましたが、ココロワ主役の続編かスピンオフのフラグでしょうか。
万事すっきり解決、といかなかったのが残念なような、次作フラグが残ってて嬉しいような…

ともあれ、次作があるなら期待しちゃいますね。